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2023年01月17日

愛知医科大学の「化学」の傾向と難易度(名古屋医学部予備校)

理論は、反応速度、化学平衡、溶液が最頻出であり、有機は、芳香族エステル、天然高分子が特によく出題されます。2008年度以降は理論・無機・有機・天然高分子から各1題ずつ出題されることが多いです。2017年度までは、理科2科目120分で、理科1科目あたり60分でした。2018年度から、理科2科目100分で、理科1科目あたり50分に変わりました。2017年度までは大問4題の構成ですが、2018年度から大問3題です。2023年度以降も大問3題の構成となる可能性が高いです。2021年度は多少少なかったですが、空所補充の問題が多く出題されています。言い換えましたら、穴埋め形式の解答形式と選択問題出題されています。化学反応式を書かせる問題や計算問題なども出題されています。2022年度までの出題においては、2012年度と2021年度では誘導に乗って穴埋め形式の解答を答えさせる問題が少なかったものの、誘導の形式が変わっただけであり、誘導に乗って解かせる問題であることには変わりはありません。計算問題は、毎年、4題から6題くらいの幅で出題されていますが、問題の分量はやや多めですので、問題を解くスピードを上げる練習が必要になります。入試問題としては、定番ですが、やや難しめの問題が出題されやすいですので、入試問題集をきちんと1冊仕上げることが必要になります。

愛知医科大学の「化学」の傾向と難易度(名古屋医学部予備校)

目次

傾向

難易度

傾向

2008年度以降は理論・無機・有機・天然高分子から各1題ずつ出題されることが多いです。ただ、2018年度から、大問が3題に減ってからは、無機の出題がその分減っています。理論は、反応速度、化学平衡、溶液が最頻出であり、有機は、芳香族エステル、天然高分子が特によく出題されます。2015年度、2020年度、2022年度は、例年出題されていた天然高分子は出題されませんでしたが、やはり2016年度ではアミノ酸・ペプチド・糖・半合成繊維、2017年度ではタンパク質や多糖類に関する正誤問題、2018年度は糖とアミノ酸の複合問題、2019年度では糖類の問題、2021年度では糖類の出題されています。2022年度は、天然高分子だけでなく、有機の出題が全くありませんでした。2014年度以前も含めて、天然高分子は最頻出です。そうは言いましても、理論・無機・有機・天然高分子の全体から満遍なく出題されていますので、どの単元もきちんと演習しておかなければならないでしょう。

〔1〕理論

理論全範囲から万遍なく出題されています。その中で反応速度・化学平衡・溶液に関する問題が多くみられます。2007年度の「アミノ酸と等電点の問題」、2011年度の「糖の構造と反応速度を絡めた問題」のような融合問題の演習も十分積んでおきましょう。以前出題されたことがある、ヨウ素滴定、化学的酸素要求量(COD)、酸素水素燃料電池、のようなやや難しめの問題にも一回は触れておいたほうがいいでしょう。2019年度は、化学的酸素要求量(COD)の問題が出題されました。2020年度は、化学平衡の問題として、電離平衡、緩衝液の問題が出題されました。

〔2〕有機

2008年度に油脂とセッケン・PETに関する問題が、2009年度にアセチレンに関する脂肪族化合物の決定の問題、2013年度に油脂とカルボン酸の問題、2015年度に油脂とセッケン、2016年度に医薬品になる芳香族化合物、2017年度に脂肪族エステル、2019年度に脂肪族化合物、2020年度に油脂と脂肪酸の問題が出題されています。

一方で、芳香族エステルの構造式決定の問題も多く出題されています。芳香族エステルには、脂肪族・芳香族・アルコールやカルボン酸の構造式決定等、有機に関する全ての要素が含まれます。また、問題文中の「分子内脱水」から「環状エステルになった→置換基はオルト位」に気付かないと構造式が決定できない(2011年度第3問)など、難度の高い問題の演習を多くこなしていないと意図が理解できない問題もあります。2021年度は、芳香族エステルの問題で、分子量が400以上750未満と大きく、難易度が高めの問題が出題されました。また、2014年度にはニトロベンゼンからアニリンを合成する反応式が問われており、やはり表面的な知識だけでは対応しきれない問題も扱われる事は念頭においておくべきでしょう。

合成高分子に関する出題は以前は2008年度くらいですが、近年は、2016年度、2017年度、2020年度と増えつつあります。例えば、2017年度において合成高分子に関する正誤問題やポリスチレンの重合度を求める問題が出題され、2020年度は、合成高分子が大問1題丸々出題されました。やはりビニル化合物・ポリエステル系合成繊維・ポリアミド系合成繊維・再生繊維と半合成繊維など、身近な合成高分子化合物に関しては基本的な知識を整理しておくと良いでしょう。単量体、構造式、用途・例題的な計算問題で十分かと思います。

〔3〕天然高分子

合成高分子とは違い、天然高分子はよく出題されます。アミノ酸の等電点とペプチド、糖類がよく出題されていますが、アミノ酸に関する出題がやや多くみられます。2012年度、2013年度にペプチドの分子量からアミノ酸の数を求めさせる出題もあります。2014年度は糖類やタンパク質だけでなく、DNAやATPの知識が問われています。さらに糖類に関しては、2014年度、2019年度にデンプンに含まれる枝分かれの数に関する内容も問われました。重合度の計算は慣れないと解き難い問題です。基本~標準程度で構いませんので、意識的に演習しておきましょう。前述にもありますが、2015年度、2020年度は天然高分子の出題はなかったものの、2014年度以前、2016年度から2021年度ではやはりよく出題されています。手を抜かずきちんと演習しておきましょう。

〔4〕無機

化合物の推定や金属イオンの分離がよく出題されています。ですが、2007年度に錯塩の組成決定、2008年度に溶解度積と沈殿滴定、2011年度にオキソ酸・硫黄・塩素、2012年度にアルミニウムとミョウバン、2014年度にクロム・マンガン、2015年度に溶解度積と硫化物の沈殿、2016年度に錯イオンやアンモニアソーダ法、2017年度にハロゲンが扱われている点を見ても分かるように、特定の内容にとらわれることなく無機全範囲から出題されます。2018年度から大問3題に減っていますが、それに伴い、2018年度から4年続けて無機の出題がありませんでした。2022年度は、銅を中心とする問題が出題されましたが、例題的な問題でした。2017年度までと2022年度は、私立の医学部の他の大学よりも,無機の問題は多く出題されています。

また、化合物の推定やオキソ酸の性質など、やや難度のある問題演習をきちんとやっていないと解き難い問題も多くみられます。

難易度

2022年度は易化しましたが、2021年度までは典型的な標準~応用問題の融合問題が中心であり、全体的に難易度は高めです。ですので、入試問題集を1冊きちんと仕上げる必要があります。理由など突っ込んだことがよく聞かれ、そして、問題量は多く、また、計算問題もよく出題されます。基礎的な内容(用語、現象、法則など)を確実に理解したうえで、問題を解くスピードや計算力を身に着けるだけの演習が必要です。2021年度は多少少なかったですが、2012年度以降、空所補充の穴埋め形式は以前と同様多く出題されています。そして、以前から選択式ではなく記述式でしたが、空所補充の穴埋め形式以外の問題の解答形式が選択式からほぼ記述式に変わり問題の難易度もやや高めです。2012年度から2021年度までは、理論、有機、無機それぞれの難易度の違いはありますが、全体ではほぼ同じ難易度で、標準からやや難の設問です。2022年度は、有機の問題が天然高分子も含めて、出題されず、かつ、理論と無機の例題的な問題が出題され、全体的に生かしました。おそらく、2023年度は、2021までの理論、有機、無機がまんべんなく出題されている傾向に戻るのではないかと考えられます。

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